【POE 3.27】 ZiggyDのQ&Aまとめ

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Path of Exile: Keepers of the Flame(炎の守護者)— 拡張の核となる要素を深掘り

Path of Exile 3.27「Keepers of the Flame」は、日本時間11月1日にリリース予定の拡張パックであり、ファンに特に愛されてきた「ブリーチリーグ」の初の本格的な続編(Brequel)として位置づけられています。

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I. 開発サイクルと拡張の背景

1. 厳格なリリーススケジュールの確立

開発チームは、Path of Exile 1とPath of Exile 2の両方で2か月ごとのリリースサイクル(合計年間6回のリリース)に戻るという計画を実行に移しており、これは「非常に重要」であるとされています。タイトなスケジュールであるため、病気などの予期せぬ事態に対して「非常に脆弱になる」という難しさが生じていますが、開発体制の強化(プロデューサーの採用など)により、このリズムを維持する努力が続けられています。

2. 「ブリーチ2」実現の理由と課題

Breachを続編として選んだのは、そのシンプルで熱狂的なゲームプレイ(モンスターを円の中でひたすら倒す)が非常に人気だったためです。

  • 続編のリスク: 続編を作ることは「危険な領域に入る」ことであり、元のコンテンツを嫌っていたプレイヤーを最初から遠ざけてしまうリスクがあります。しかし、Breachは「大当たり(banger)」だったため、続編が適切な例であると判断されました。
  • 学んだ教訓の応用: 最初のブリーチリーグは約9年前に開発されており、今回の続編では、Path of Exile 2の開発で学んだ教訓を含む「9年分の教訓」が活かされています。
  • アートアセットの再利用: Keepers of the Flameをより効率的に開発できた理由の一つは、Path of Exile 2で作成された新しいブリーチモンスターのモデルやアニメーションを流用できた点にあります。これにより、アートリソースを他の新要素(グラフトシステムや創生の樹など)に集中させることができました。

3. ストーリーと世界観の拡張

この拡張は、POE1(Keepers of the Flame以前)とPOE2(Twisted Domain)のブリーチの物語の間を埋める役割を果たしています。

  • プレイヤーは炎の守護者(Keepers of the Flame)の創設者エイリスと出会います。
  • ブリーチロード、特にChayulaの物語の弧が探求されます。POE1では悪役であったChayulaが、POE2では人類を助けたという説があるなど、その「善か悪か」という曖昧な立ち位置が、この拡張でさらに深堀りされます。

II. Keepers of the Flame リーグメカニクス:4つのエンカウンター

Keepers of the Flameリーグは、主に4種類のエンカウンター(遭遇戦)で構成されています。

1. ハイヴ(Hive)エンカウンター(最も一般的)

ブリーチの怪物がレイクラストに構造物「ハイヴ」を構築しているエリアでの戦闘です。

  • 炎の力による浄化: プレイヤーはエイリスの力(炎の力)を与えられ、この力で有機的な壁や構築物を焼き払いながら進みます。このプロセスは、まるでライチャスファイアビルドで走り回っているような感覚だと表現されています。
  • ウェーブディフェンス: ハイヴの中央に到達すると、エイリスを召喚し、エンカウンターを開始します。モンスターはエイリスを殺そうと試みますが、主な目的はプレイヤーの撃破です。
  • 難易度と報酬の調整: 報酬を増やしたい場合は、壁を燃やしてハイヴスポナーをポータルに変換し、より多くのモンスターを呼び込むことができます。
  • 緊急スキルの提供: 圧倒されそうなプレイヤーのために、「お助けボタン」として機能する紫色の炎のスキルが用意されており、これを使うと、巨大な爆発で敵を一掃したり、炎の壁を作ったりできます。これは主に、キャラクターの弱い層を助け、戦闘能力の差を標準化するために導入されています。

2. 伝統的なブリーチエンカウンター

まだハイヴの構築が始まっていない、不安定な状態のブリーチです。

  • 安定化の進行: プレイヤーがモンスターを十分に倒すと、プログレスバーが満たされ、ブリーチが「安定化」します。
  • エリートとボスの出現: 安定化のポイントに到達すると、ブリーチロードのエリートや元帥ヴルーン(Verun the Marshall of Zest)などのボスがポータルから出現し、プレイヤーはそれらを倒す必要があります。
  • 時間制限の緩和: 一度ブリーチが安定化すれば、ボス戦には時間条件がなくなり、プレイヤーは落ち着いてボスとそのミニオンを倒すためのアリーナを確保できます。

3. スカイフォートレス(Sky Fortress)

数週間かけて構築された巨大なメガストラクチャーで、天に向かってそびえ立つハイヴ(ブリーチの豆の木)です。

  • 探索と脱出: 内部はタイマーなしで探索できますが、中央でウェーブベースのエンカウンターを完了した後、エイリスがハイヴ全体を焼き払うため、急いでエリアから脱出する必要があります。

4. エンドゲームのピナクルボス戦エリア

このエリアは、拡張の最終的なエンドゲームボス戦が行われる場所です。

III. 創生の樹(The Genesis Tree)とグラフトシステム

創生の樹は、今回の拡張におけるメタプログレッションとクラフトシステムの中核です。

1. 創生の樹のメカニクス

創生の樹は、アイテムを「孵化させたり」「成長させたり」するパッシブツリーの形をとっており、プレイヤーがツリーにポイントを割り当てることで、クラフトの方針を視覚的に設定できます。

  • デザイン: 樹のデザインは、Path of Exile 2のTwisted Domainにあった手の木の環境アートにインスパイアされており、そこから「より生々しく、有機的で、グロテスクなホラー的要素」を加えています。
  • パッシブツリーの再利用: 既存のゲームコードを再利用することで、開発の焦点を「システムの基盤」ではなく「ノードの効果」に集中させることができました。
  • クラフトの可視化: この樹を通じて、プレイヤーはクラフトの依存関係や構造を視覚的に理解できるため、複雑なクラフトプロセスを伝えるための自然なインターフェースとして機能する可能性が期待されています。
  • 報酬の確保: 樹のパッシブを取得することで、過去のブリーチリーグのユニークアイテムを含む全ての報酬を、新しいメカニクスを通じて得ることができます。

2. グラフト(Grafts)

グラフトは、創生の樹から生まれた異世界の産物であり、安全なプロセスを経てプレイヤーの背中に融合される「ブリーチの手」です。

  • 役割: グラフトは、強力なパッシブの恩恵に加え、独立した強力なスキル(手動発動、自動キャスト、またはプロックベース)を提供します。
  • スケーリングの独自性: グラフトスキルは、プレイヤーのキャラクターのステータス(増加ダメージなど)ではスケールしません。これは、呪文詠唱者が攻撃グラフトを使う、あるいはその逆のように、ビルドの選択を制限しないように意図されています。
  • グラフトブラッド: グラフトは、ブリーチモンスターから自動的に回収されるグラフトブラッドを集める役割を果たし、この血を創生の樹に供給することでパッシブスキルが稼働します。
  • カスタムユニーク: グラフト専用のファウルボーンカレンシーを使用してクラフトが可能です。また、ユニークアイテムをファウルボーン化することで、既存のモッドを、そのアイテムのアイデンティティを損なわない範囲で、特別に手作りされた変異モッドに置き換えることができます。例えば、「Quill Rain(針の雨)」の変異版には、投射物スピードが増加しない代わりに効果範囲が増加するモッドなどが付与されます。

IV. ブラッドライン(Bloodlines):サブ・アセンダンシーシステム

ブラッドラインは、エンドゲームのキャラクターカスタマイズを目的としたサブ・アセンダンシークラスです。

  • 解放と割り振り: 特定のエンドゲームボスを倒すことで、10種類のブラッドラインクラスが解放されます。これらのパッシブは、通常のアセンダンシーポイントと同じプールから割り振られます。
  • 設計意図: ポイントプールを共有することで、過剰なパワーインフレ(パワー・クリープ)を防ぎつつ、アセンダンシーの選択に「代償」を伴わせることを意図しています。
  • ビルド多様性: ブラッドラインは、既存の19種類のアセンダンシーすべてと組み合わせることが可能であり、「ほぼ無限の組み合わせ」によるエンドゲームのビルド多様性を生み出します。
  • ノード数: ほとんどのブラッドラインは、1~3個のノーダブルノード(最大6ポイント相当)で構成されており、ポイントをすべて割り振れないように設計されています。
  • 将来の拡張性: ブラッドラインはエンドゲームのアンロック要素であるため、将来的に簡単に新しいボスやコンセプトを追加・循環させることができ、ゲームのコアシステムを乱さずに拡張を続けることが可能です。

V. Path of Exile 1 への非同期トレード導入

Path of Exile 2で成功を収めた完全非同期トレードシステムが、Path of Exile 1に導入されます。

1. 仕組み

  • ファースタスの役割: アクト6以降、NPCのファースタスがマーチャントタブの管理人となり、プレイヤーがオフラインであっても他のプレイヤーがアイテムを購入できるようになります。
  • ゴールド手数料: 購入の際には、少量のゴールド手数料が発生します。この追加コストに対応するため、ゲーム内のゴールドバランスが調整されています。
  • システムの影響: これはPOE2で導入され、QoLを大幅に向上させることが証明されています。ただし、経済学的な影響として、安価なミッドティアのアイテム(例:5~10カオス相当)の価値が実質的に失われるという懸念が開発者側にはありました。なぜなら、高速なトレードが実現することで、そのようなアイテムの購入が容易になり、結果として市場価値が低下するためです。

2. 技術的側面

  • コンソール版: これまでコンソール版に存在していたレガシーなトレードボードは、この新システムに置き換わるため、早期に撤廃される予定です。
  • 改善の余地: 開発チームは、この新システムに「まだ改善の余地がある」ことを認識しており、将来的には「検索の保存」や、カーソルの下のアイテムを自動で検索できる機能など、さらなるUX改善を目指しています。

VI. エンドゲームとバランス調整の議論

1. T17マップとモディファイアの課題

エンドゲームのティア17マップとそのモディファイア(Mod)は、開発チームにとって「解決すべき問題」であり続けています。

  • 問題の定義: T17モディファイアは、本来、挑戦的で毎回異なるチャレンジを提供することを目的としていますが、実際には「プレイヤーがプレイしたくない」と感じるような組み合わせや、特定のビルド(例:トリックスターやジャガーノート)のみが効率的に攻略できるメタに限定されるという問題が発生しています。
  • 根本的解決の必要性: 開発チームは、この問題に対して「絆創膏を貼る」(小規模な変更)ことは継続するものの、**根本的な再設計(フルリデザイン)**が必要であるとの見解で一致しています。この再設計は、3.28以降の拡張でより劇的な形で実現される可能性が高いと示唆されています。
  • パッシブツリーの設計: 現行のエンドゲームにおいて、報酬と難易度をスケーリングする主要な手段が「マップモディファイア効果」のスタックに偏りすぎている点が「少し退屈」であると認識されており、今後は多様な難易度調整方法を導入したい意向があります。

2. 不遇なクラスとワンド攻撃の強化

  • アサシンの改善: 開発チームは、毎拡張、最もプレイされていないアセンダンシークラスを調査し、改善を試みるリズムを確立したいと考えています。今回、特に利用率が低迷していたアサシンに対して、迅速な改善が実施されました。
  • ワンド攻撃の刷新: 今回の拡張は**「クラス中心」のバランス調整**に重点が置かれており、特にワンド攻撃ビルド(Wander)に対して、過去最長となる大規模なアップデートが実施されています。
    • 専用ベースアイテム: ハイブリッドではなく、純粋なアタックモッドのみを持つワンドベースアイテムが追加されました。
    • 新しいスキルの追加: Kinetic(キネティック)エネルギーをテーマにした複数の新しいワンドスキルが追加され、既存のキネティックボルトなどと組み合わせることで、「非常に激しい」ゲームプレイを可能にしています。

VII. 開発技術と将来の展望

1. POE2リグのPOE1への導入

POE1の将来的なアニメーション品質向上のため、POE2で使用されているリギングシステムをPOE1に持ち込む計画が進行中です。

  • WASD(方向別移動)への対応: POE1でWSD(キー入力方向への移動)を可能にするためには、まずマイクロトランザクションをすべて新しいリグに移行する必要があります。これは遅々として進まない作業ですが、完了次第、WASDをPOE1に実装できます。
  • アニメーションコストの削減: 現在、POE1で新しいアニメーションを作成する場合、7種類のキャラクターと全ての武器セットに対応させる必要があり、そのコストは膨大です。新しいリグが導入されれば、アニメーション作成のコストが大幅に削減され、より多くのクールで特注のアニメーションを使用する新しいスキルを容易に追加できるようになります。

2. 開発哲学

開発チームは、POE1の「超高速な戦闘ペース」というDNAを維持しつつ、POE2で得られたQoLの改善(非同期トレードなど)をフィードバックしています。

  • コミュニティへのフォーカス: 現在、POE1の開発は「新規プレイヤーの獲得」よりも、「既存のプレイヤーベース(長年のファン)を幸せに保つこと」に焦点を当てています。
  • 本質: 開発の本質は「クールで楽しいものを作ること」であり、哲学的な議論や新規プレイヤーの数よりも、プレイヤーが「愛するゲーム」を確実に提供することに重点が置かれています。